魔法少女まどか☆マギカ、最終話まで見た。泣けた。以下ネタばれになるので、今から見たい方は読まない方がいいかもしれないですし、どんなアニメなのか以下の情報を一通り知ってから実際に見るのも一興かもしれない。
巴 マミが比較的最初の方で一人だけポジティビティ溢れる魔法少女として、魔女と一人で正義の為に、誰にでもできる簡単なお仕事みたいな雰囲気でいつもにこにこしながら、大変そうな戦いを優雅に捌いていた。戦いの後には友達とケーキと紅茶を楽しみながら。そんな毎日だったけど、3話目とかにあっさりさくっと死んでしまう。
とにかく、美樹 さやかは「自分の願いを何でも一つ叶えられる権利と引き換えに、世界に世界に災厄を撒き散らす次々発生する魔女を退治する為に魔法少女になる運命を引き受けなければならない」そういうシステムに先に巻き込まれていってしまうが、鹿目 まどかの方は、9話目まで全く魔法少女になるということをうじうじ悩んで、自信なさそうな頼りない人物として描かれている。
そして、10話目では平行世界がいくつも出てきて、まどかは生き生きと魔法少女の役割を、マミという先輩魔法少女の元で、同じように軽やかに魔法少女の仕事をこなしている。9話目までは暁美 ほむらは、要所要所で突然現れては、だからお前には魔法少女の資格がないみたいに嫌味を言って、美味しい所を奪っていく役割だったのが、逆におどおどしていて、マミや他の魔法少女に無能力者みたいな扱いを受けている。
だがほむらには時間操作の能力がある為、世界の終わりのような巨大な力を持つ魔女に魔法少女仲間や世界が滅ぼされていくのが確定した瞬間に時間を巻き戻す。そしてどんどん知恵をつけていき、つまり、シナリオが分かっているので対処法を模索していく。そして、その世界の終わりを告げる魔女を仲間と協力して、自分もスキルを最大限に洗練させて、倒すことができたにしろ、世界が救われることはないことが分かってしまう。
そこから、何度も世界の終わりを回避しようとするが、もっと早い段階で魔法少女の末路が魔女だということが分かってしまう展開に魔法少女仲間が巻き込まれ、その魔女化した魔法少女を倒した後にマミは発狂して仲間を殺しに掛かる。自分も殺されると思った瞬間にまどかに助けられるほむら。その事件の後、時間を再び巻き戻したほむらは、まどかだけは本当の友達で、いつも私を助けてくれた、まどかだけは私が守る。そういう目的に集中するようになる。
そこからだんだん邪悪な手段が用いられるようになる。魔法少女への契約をそそのかすキュゥべえを惨殺する手段にでたりする。とにかく、まどかを魔法少女にしなければいい、という方向に考えがシフトしてき、まどかというかけがえのない友達を守る為には、私にはまどかを含め、どんな仲間もいらない自分でなんとかする、世界の終わりである「ワルプルギスの夜」を自分が背負い込むと決意する。そこで、ミステリアスな魔法少女ほむらが完成し、現在である第一話からの世界になる。
キュゥべえに「君は歴代の魔法少女より桁違いに凄い魔法少女になれるポテンシャルがある」みたいなことを言って勧誘され続けたまどかだが、あなたには魔法少女になる資格がないとほむらに言われ続けるは、自分には切実な叶えたい願いなんかないし私なんかほむらちゃんが言うように何の得意なこともない普通の少女だし、と精神的にへこみ続けるまどか。おかしな行動を取るキュゥべえに時間旅行者だと気づかれ、まどかにこんなにポテンシャルがある原因は君にある、と指摘されたことで、心が折れ、もう時間を巻き戻しまどかとの出会いをやり直す意味も目的も何にもない、時間操作できる自分が全ての災厄のだったことが確定する。
とにかく最後の最後で、ほむらちゃんの罪も全ての魔法少女の罪も私がすべて引き受ける、そのような願いで魔法少女となる道を選ぶまどか。
とにかく、私的に泣ける神アニメ。9話まで抑うつ的なストーリーでめんどくさいし単調だし説教くさいしもう見るの止めようかと思ったところで、10話目でいきなり世界観が開ける。ネットゲームをやっていると、職業が選べて、癒しタイプや遠距離攻撃の弓使いとか接近攻撃でも短剣使いの冒険家/盗賊タイプや騎士タイプや火や地や水や風を操る魔法攻撃タイプの職業が選べる。そのようなタイプの中の、まどかは弓使いだということが、やっと10話目で判明する。しかし、通常攻撃みたいな姿は一度や二度くらいしか魔法少女まどか☆マギカのアニメ内では拝めない。シークして探してみたけど、もしかしたら、「いきなり秘密がバレちゃったね。クラスのみんなには、ナイショだよ♪」のワンシーンくらいしかないと思う。
魔法少女まどか☆マギカは、まどかは全然魔法少女にならないし、魔法少女として全く描かれていない、魔法少女アニメ。キリスト教のことは私はよく知らないが、私たちの罪を背負ってキリストは死んだ、原罪を再解釈して成功しているアニメだと思う。そして同時に、どんなシミュレーション実験や状況実験をしても、絶対に信頼できる友達ということが分かる、という概念も面白い。とはいっても、ハリウッド映画で、同じ時間を繰り返し、最悪の結末を回避する為に、絶対的に信頼できる一人の人物にいろいろなアプローチを試みる、という手法は使い古された手法だ。とはいっても、それは運命の異性というのは存在するのか、という思考実験のようなものにSFの手法が加わった形だが、それが友達に置き換わったのが新しいと言えば新しい。
そして、このアニメではほむらが全力でまどかを見守っているせいで、まどかは魔法少女の仕事にありつけない、自信喪失が絶対的に約束された存在として描かれている。いわば、まどかは存在を奪われているせいで仕事に就くことも出来ない状況に嵌め込まれている。最近、ニートひきこもりアニメは多いけど、このアニメはその点を原罪という点から考えさせられる。生きている者は失敗し敗れていった者たちの業や呪いを背負って生きている、というような。